あとがき - Amazarashi

通りすがる風景に
秋の陽はなんだかやけに鋭利
日常は徐行ぎみ
恐る恐る生きる意味
まるで酔っぱらいの 世迷い言みたいに
口をつく苛立ち 弱音装う自己顕示

現実 妙に馴れ馴れしい
あんたと上手くやれそうにないし
人の評価に怯え
孤独な夜は底冷えする様に事切れ

もうやめた 諦めた
で終わる一日に募る焦りは
「いってらっしゃい」
生返事とあくびで答える
君の笑顔には

なんとか報いたいと思う
心に密かに明かり灯る

東京 東京
どうか僕だけを選んでくれないか
ほんとどうしようもない
安ホテルで不甲斐なさに泣いた
酩酊して笑い合う 分かち合う
価値だけ続いてくれれば
明日もまた笑顔で帰れる
「ただいま」

詰まるところは 明日を知る
なだらかな日々につまずいて
向かうところは ありもせず
未来の居場所だって未定
詰まるところは 明日を知る
なだらかな日々につまずいて
(九月九日 夏惜しむ
蝉時雨の只中にて)